17.桐について
(2010年6月 9日 20:36) by 町八家具


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<画像:日本人と桐.jpg>
その昔、箪笥といえば桐箪笥を意味するほど、桐は私たちの暮らしに身近なものでした。
家に女の子が生まれると、庭に桐を植え、嫁入り箪笥の 用材に備えたと言われています。
桐箪笥は、湿気の多い日本の風土のなかで、衣類を保存するのにもっとも適したものとされていたのです。

<画像:桐.jpg>


  

?@桐の木

<画像:ブログ 025.jpg>






















桐の木は軽く、狂いや伸縮が少なく、手触りが柔らかく温かい。加えて柾目の美しさから保存箱などの仕上がりの良さも期待出来る。 また、耐久年数が長く、古くなっても再生(削って仕上げ直す)が可能な点も桐ならではのものです。

?A桐の花

<画像:dc051101.jpg>桐の花と藤の花は同じ 頃に咲きます。色は薄紫色で良く似ています。
新緑の頃、紫色が映えて見られるのは山藤の葛葉藤か桐の花で、遠目には区別はつき ませんが、花の型は全く番うので近寄ってみれば一目瞭然です。
冬が過ぎると黄金色で大豆よりやや大きな玉がつき、これが家紋「五七の桐」「五三の 桐」等に図案化されたものだと思います。
この玉の1つ1つから花が咲くのです。













<画像:特長.jpg>
   美術品や歴史ある数々の資料は、先人たちが残した人類の貴重な財産です。その貴重品を大切に保存し、次代へと受け継ぐ事が現代の私たちの 使命ではないでしょうか。そのような美術品、貴重品の保存箱、収納庫の用材として最も理想的といわれているのが桐。優れた気密性・断熱性・防湿性により、 箱内部の温度や湿度を一定に保てる上、万一の火災や水害などの事故からも、中のものを守ります。


?@防湿性・防カビ性

    桐の特性で、一番好まれ、知られているのが湿度調節が可能な点です。
    桐は気泡質で空気を多く含んでいるため、湿気にあうが気泡の中に水分を吸収し膨張して
    桐箱内部へ湿気の進入を防ぎます。
    そして、乾燥時には水分を吐き出し、元通りになるため、内部は常に一定の湿度を
    保つことが出来ます。

?A 耐火性

<画像:火災.jpg>火事に遭っても、桐箪笥の表面は燃えて炭になったが、中の衣類は無事だったそうです。
近年、その桐の優れた特性が科学的・学術的に証明され、衣 類の保存だけでなく、貴重品保存など多方面にわたって使用されています。

明治期の黒い大きな金庫の内部も桐で作られ、外側の鉄が真っ赤になって桐箱の外側はコ ゲても、中味のお札や書類は助かったそうです。






【金沢大学での実験資料】


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